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ネットの怖い話・都市伝説まとめ局

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頼まれてマンションに住んでみたら…。

【怖度★5】怪談「地盤のゆるさ」◆伊山◆【怪談ぁみ語】






友人の話。

彼女の実家では、かつて黒い犬を飼っていた。
「血統書とかはなかったけど、おそらく甲斐犬」と彼女は言う。
彼女が物心ついた頃には、もう立派な成犬だった。
頭の良い犬だったが、奇妙なことがあったらしい。
ドアを閉めていた筈なのに、いつの間にか家の中に入っていたということが多々あったというのだ。
ふと気が付くと、自分のすぐ横で尻尾を振っている、といったような。
家族皆がそう感じていたのだが「気のせいだろ」と流されていた。

ある夏の日、いつもと違う方向から彼女が帰宅したところ、犬は庭で寝そべっていた。
彼女にまだ気が付いていない様子だ。
然したる理由はないが、何となくそこで立ち止まって犬を眺めていたのだという。
気持ちはわかる。私も犬好きだから。

とその時、家の中から母親の大声がした。何かひどく慌てているようだ。
犬は頭を振って起き上がると、台所の勝手口に向かった。
少しの間ドアの前でお座りしていたが、やがてすくっと後足で立ち上がる。
普段から二本足で歩き慣れているかのような、実にスマートな立ち姿だった。

あれあれ!?、と彼女が見守る前で、器用に前足でノブを掴む。
ガチャリと一発で開けた。そのままスタスタと二足歩行で中へ進む。
そしてドアはパタンと中から丁寧に閉められた。
しばし、呆気に取られたそうだ。

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